不必要な善意 

わが庭の 宮居に祭る 神々に 世の平らぎを いのる朝々 (昭和天皇)

◎  仏教と神道と天皇 

天皇は日本神道の最上位祭祀者である

これは現代の常識となっている

本当にそうだろうか?

おぼろげながら最近までの天皇は間違いなく

祭祀王であったと思っている


しかし・・・明治維新までの天皇はどんなに

贔屓目で観ても、祭祀王とは程遠い状態だった


私は天皇家や天皇制度を否定するつもりはない

ただ現実はどうだったのかを考え知るべきだと

思っているだけである


私はかねがね、歴史を破壊したのは明治新政府

だと言い続けてきた

特に神道と仏教に関し、極端な思想を以て強引な

政策を実行した

それが【廃仏毀釈】である

「廃仏」は仏を廃し(破壊)すること

「毀釈」は、釈迦の教えを壊(毀)すという意味だ

見方によっては「仏教弾圧」かもしれないが

その当時(江戸時代末期)の寺院は宗教というより

政治的な厚遇を受け、堕落した「無用の長物」と

化していたように思う

その特権と堕落した聖域を整理したという意味では

評価すべきものもあるとは思っている


私は現代の仏教、特に寺院の状況を見ると

人は同じ轍を踏む生き物だと憂いている

国が宗教を聖域としたことにより、過去の

諸問題を学ばないことの結果であり

西洋的思考で伝統や文化を維持する

ようなちぐはぐさを感じてしまう


1858年に孝明天皇が高野山に送った

御内書に興味深いものが残されている


【我が国は、はるか昔から国政を補佐する

もの
として、仏教を用い続けてきた。けれども

今日の状況をみると、仏教は地に堕ちている。

仏教が地に堕ちるときは、王法もおのずから

衰徴するであろう。それを思うと限りない恐怖が
 
湧き起ってくる】


祭祀王という立場のはずの天皇が、仏教を

国政の補翼 と明言している


この時代の天皇は「仏教徒」だった

宮中祭祀は「儀礼」「儀式」でしかなく

心は「御仏(みほとけ)」の傍にあったということだ


明治新政府の「廃仏毀釈」とは、天皇から

仏教を遠ざける狙いもあったのだろう

仏教伝来から以後、祭祀王であった天皇は

たんなる仏教にすがる仏教徒にすぎなかった

私が歴代の天皇を考えてくる過程で、神の気配が

消えて、意欲減退に陥ったことがあった


まさしくこの仏教徒・天皇が原因であった


なぜ京都から江戸に「遷都」したのか?

その答えは天皇から「仏教」を遠ざける意味も

多分にあったと思っている


明治になって仏教徒から日本神道に復帰し

本来の祭祀王の立場になったはずの天皇

しかし現実は、祀る立場から祀られる立場に

現人神(あらひとがみ)という立場に置かれ

大東亜戦争終結を受けて、GHQの手によって

神道の祭祀王でも、仏教徒でもなく、現人神でもない

あいまいな立場に置かれている



本当なら欧米諸国の願いは、天皇とは儀式を行い

ながら日本国民を束ねる精神的支柱となりながら

欧米風の「一神教の信徒」に変わることを望んでいる

そのための「開かれた皇室」であり、一神教に造詣の深い

皇族の育成が必要となってきた

日本の精神的支柱を内部から破壊するのは

無信教であったり、一神教の信徒が増殖すること


まさに無信教の宮内庁幹部とクリスチャン皇族の

現実に垣間見ることができる

宮中祭祀が公的行事であってはならない理由

それが宮中祭祀の「古儀」の形骸化と簡素化

無信教な天皇が望まれている原因かもしれない


戦後の東宮妃選びに多くの異論があったことは

今では常識である

歴史の功罪は時間というレンズを透してしか

判明しない

今このときは・・・将来の「あの時」なのである

                   
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初めてコメントさせていただきます。

文章力が無いので、なかなかコメントする勇気が出なかったのですが、今夜は子供の看病で徹夜になりそうなので、深夜にこっそり投稿させていただきます。

幼い頃から歴史(皇室)や精神世界などに興味があり、関連の勉強をしたりしてきたのですが、近年では日常生活に追われているのを言い訳に、調べる事・勉強する事をしていませんでした。
長屋の爺様の今迄アップされている記事を全て読ませていただいて、自身の知識欲が久々に騒ぎ出しました。
(…大袈裟に言っていますが、あくまでも私のとても低レベルな話です)
歴史の紐を解き、自身の考えを纏めるというのは、膨大で広範囲な知識や常識が必要ですよね。
年代ごとの日常生活様式から政治的・宗教的・精神的背景等々…。
主様が、噛み砕いて解り易い記事にしてくださっているのに、解らなくて調べてみたい知りたい事が盛沢山です。
なので、ブログを読んでると自分が情けなくなってくるのですが、同時にそんな風に感じるのが久しぶりなので愉しくも感じています。

とても素敵なブログですね。

これからも記事の更新を楽しみにしておりますが、どうか無理をせずにくれぐれもご自愛ください。



2015/05/15(金) |URL|看病ママ [edit]

看病ママさんへ

こんばんは

そして はじめまして

私はご存知のように無学の爺です

毎日、この年になっても現場に出ている肉体労働者

かっこよく言えば職人、ふつうに言えば現場技術者

早い話が汗と泥にまみれた爺です

専門(仕事)外では人様に教わることはあっても、教える

ことなど皆無の日常です

古代史の自論・暴論もやさしく書こうとすればするほど

難解な表現になってしまいます

分からん、理解できないという声も聞こえず

独りよがりのブログになっているのが現実です

なかなか過去の記事を読み返す時間もなく

たとえ読み返したとしても、赤面するのが落ちでしょう

これからもこんなブログのまま続けることになります

どうぞよろしくお願いいたします (長屋の爺)

2015/05/15(金) |URL|長屋の爺 [edit]

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