不必要な善意 

わが庭の 宮居に祭る 神々に 世の平らぎを いのる朝々 (昭和天皇)

◎  特定化された太陽神アマテル 

【 大師は弘法に奪われ 

  黄門は光圀にとられた 】

あるいは、【 太閤は秀吉に奪わる 】


これは普通名詞として一般的だったものを

固有名詞のように扱われるようになった事を

揶揄した言葉である

「大師」というのは偉大なる師という意味で

高徳の僧への敬称として使われ、朝廷から

高徳の僧に賜られる号のことである

ところが日本では「大師」といえば空海を指し

空海の別称という位置づけになってしまった

中国や日本にも多くの「大師」が居るのだが

「大師様」といえば「弘法大師・空海」に限定されて

しまった

「黄門」というのは、中国皇帝の傍近くで勅命を伝える

職務であった「黄門侍郎」のこと

転じて、日本の中納言の唐名を「黄門侍郎」または

「黄門」といったことから、「水戸中納言光圀」のことを

「水戸黄門光圀」と呼び、何時からか「黄門」というのは

「徳川光圀」を指す固有名詞になってしまった

「太閤」とは摂政または関白の職を子弟に譲った

人物を指し、特定の人物の名称ではなかった

ところが豊臣秀吉を「太閤殿下」として呼び習わし

「太閤」=秀吉 という固有名詞のようになった


なぜこんな話を書くのか・・・

神器である「八咫鏡」「八尺瓊勾玉」という名称

これもおそらく普通名詞だったという説がある


アマテラスが八尺瓊勾玉を咬み砕き

その霧の中からアメノオシホミミが生まれ

八尺瓊勾玉は消滅したのに、降臨の際

天孫・ニニギに八尺瓊勾玉を持たせたと

書かれています

都合よく「二つ在った」などでは納得できない

古典には同じ名前の勾玉が登場していて

私も特定の「宝物」ではなく、普通に勾玉を

そう呼んでいた気がする

八咫鏡も特別な鏡のことではなく、手のひらサイズの

普通の鏡のことだったかもしれない


「八」という文字

末広がりで縁起が良いというのが通説だが

本当だろうか?

「八」が縁起が良いという発想は、漢字の

「八」が浸透してからの問題であり、古代に

おいて「末広がり」など「眉唾もの」でしかない

参考までに古代の数字と「八」との関係

古代では「奇数」は”吉数”、偶数は”凶数”

ということになっている


普通名詞であった「宝物」を神器としたのは

本来幾つも有ったものが「固定」「特定化」した

モノだった、私にはそう思えるのだ・・・



*阿麻氐留神社 (対馬)
 あまてるじんじゃ

*粒坐天照神社 (播磨)
  いいぼにますあまてるじんじゃ

*天照玉命神社 (丹波)
  あまてるみたまのみことじんじゃ

*天照大神高座神社 (河内)
  あまてるおおかみたかくらじんじゃ

*鏡作坐天照御魂神社 (大和)
 かがみつくりにますあまてるみたまじんじゃ

*他田坐天照御魂神社 (大和)
  おさだにますあまてるみたまじんじゃ

*木嶋坐天照御魂神社 (山城)
  きじまにますあまてるみたまじんじゃ

*新屋坐天照御魂神社 (摂津)
  にいやにますあまてるみたまじんじゃ


上記の神社は相応の由緒ある神社だが

アマテル、若しくは天照御魂を冠する神社で

あまてる と読む

ここから推理できるのは、私達が「アマテラス」

と呼ぶ神は、地方では「アマテル」であり

太陽神の霊魂(御魂)なのである

鏡作坐天照御魂神社の祭神は「天火明命」

であり、天照御魂とは月読命と対比して

「延喜式」に載っている

ということは、アマテルは日神、ツクヨミは月神

を意味しているのである

アマテル(天照)に大神を付けようと付けまいと

アマテルは「太陽」なのだから、皇祖神として

特定する事には無理がある

そして・・・どこにでも居た神さま

言葉を換えれば、普通名詞のように意識

されていた日の霊魂(天照御魂)なのである


古事記には「あまてらすおおみかみ」で

統一されて記載されている

ところが日本書紀には、【日神】【大日孁貴】

【天照大日孁尊】【天照大神】と多彩である


柿本人麻呂が草壁皇子の死去に際し詠んだ

挽歌には、、【天照らす日女尊(ひるめのみこと)】

と書かれていて、たしかに皇祖神として扱っている

しかし、名前は「あまてらすおおみかみ」と定まって

いない事が見えている

持統天皇の時代でも、皇祖神という認識は存在しても

あくまでも【天照らす日女尊】であって、我々が知る

天照大御神ではなかったのであり

天皇が太陽神の子孫という認識は固定化されて

いたと思われるが、その祖先の神の名は確立して

いなくて、「ひるめのむち」という一般名称を

使っていたと思われる

                   
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